第三十一段 新聞の裏読み
ちょっと横浜に出かけた際、新聞博物館なるものに寄ってみたのだが、売店で見つけたのがこの本。まあ薄いブックレットなのだが、新聞の様々なデータが載っている。輪転機台数の推移とか在京6社の印刷拠点などは業界さんでなければ意味が無いが、読んでいる人の割合、読む時間などと広告関係のデータを読み合わせると、例えば新聞広告はどう載せるのが自社にとって効果的かなど考えるには良い。テレビ、雑誌、インターネットなどとの評価の比較などもありメディア利用を考えるにも使えそうだ。
「データブック日本の新聞2002」 (社)日本新聞協会 刊
第三十二段 大丈夫かな
「パソコンがフリーズしちゃって困ったよ」なんて言うのは珍しくない。個人のパソコンなら動かなくとも何とかなる。これが大きな企業でシステムが組まれていて、それが動かないとなると大変だ。まあ大企業は金も掛けてるしそんなことは無いだろうと自分も思っていたが、この本を読むとあまりの酷さに開いた口が塞がらない。本の帯には50件の失敗事例を徹底分析と書いてあるが、読めば10件でゲップが出るぞ。だいたい金額がスゴイ。完成したシステムを破棄して16億円の損害を計上とか、導入時の混乱で売り上げ100億円を失うとか、大企業なりに損失もすごい。中小企業の事例もあり、ありがちな「担当者が退職しました」から行き違いによる「不良」まで”良く揃っている”。まあ、この様な事にならないよう気をつけましょうと言うことなのだが、安いパソコンと携帯だけにしておこうと思うのは私だけだろうか・・・。
「動かないコンピュータ 情報システムに見る失敗の研究」 日経コンピュータ 編 日経BP 刊
第三十三段 これはスゴイ
温泉モノがまた登場。「好きだねぇ。ほんとはネタが無いんだろ。」・・・って両方当たってるが、実際温泉は好きだ。いやそういう話ではない。これはガイドブック風に書かれた危ない温泉突撃紀行だ。だから行くことを禁じているが、どう見てもガイドブックである。お決まりの温泉データがビジュアルに出ているが、これがまた爆笑モノで、行程危険度、ガス発生度、危険動物遭遇度とくる。泉質と効能も忘れずに出ているぞ。泉質⇒「舐めたら鉄錆の味がした。だから何だ、といわれても困るが・・・・。まあそういうことだ」 効能⇒「ガスマスクなしで入れば、あちらの世界が覗ける?」!!!、笑い過ぎてこのページはまともに入力できない。まあこれを読んで行きたいという人はいないだろうが、温泉は県別に並んでいて、カラー写真と詳細地図が出ているから、行きたくなったら行けないことはない。
「誰も行けない温泉 命からがら」 大原利雄 著 小学館文庫
第三十四段 御仏
このページのファンから推薦された本。見物記?いや見仏記なのである。いとうせいこう氏、みうらじゅん氏の仏像を見て歩く紀行なのだが、共著というかほとんど珍道中記と言えよう。子供の頃から仏像マニアだったみうら氏の歴史や仏像への突拍子もない想像を、必死で普通の文章にしてゆこうとガンバルいとう氏。それだけでもオカシイ。まず土産物屋に木刀がならぶようになったのは何時かということで、そこに木刀の販路拡大を狙った人を想像してみたり・・・。国宝かどうかより、観光で流行ってるかどうかが問題で、本堂は装飾より住むのに向いているかを考える。一応歴史は踏んでいて、ちゃんと仏像を見学しては考察しているのだが、なぜか歴史オカマイなしの論法で当時の状況を作り上げてしまう。何と言っても見立てが漫画チックだ。寺院がコンサートホール、浄土から来日する仏は人気のアーティスト、そして信者は熱狂するファンとくる。なるほど当時の「流行」を想像してみるとその様に見えてくる。また十二神将の髪型からパンクヘアーが発生し、形相の凄さが漫画における劇画の原点となったとかいうのは、どうしても笑ってしまうのだ。しかし、意外に考古学より筋が通っているように感じてしまうのはなぜだ?もっと凄いのは、この本には続編がいくつか出ていることだ。ものの見方を変えたい開発系の人、一度読んでみたら?
「見仏記」 いとうせいこう みうらじゅん 著 角川文庫
第三十五段 フシギの園
「嵐を呼ぶ幼稚園児」なんてのがあるが、保育園も何だか異界、魔境(言い過ぎ!)の様だ。今回は保育園に関するエッセイなのだが、園には内緒の息抜きや連絡帳のウソは保育園ママの実態を赤裸々に語っているし、バザー用雑巾の謎や妙な決まりは外界からはフシギそのものに見える。特に、保育園ママ匿名座談会は暴露大会の様相を見せてくれるのだが、その仮名がキリンにパンダにウサギにコアラ・・・。まじめな話で笑いを取れるとは、お笑い芸人も舌を巻く荒業だ。とにかく、これからご入園のお子さんがあったら一度読んでおいた方が良い。心の”お準備”ができる。
「世にもフシギな保育園−働くママの敵か?味方か?−」 安藤夏代 著 知恵の森文庫
第三十六段 なんだこりゃ?
これまたホームラン級の笑撃度だ。見れば絶対に「何だこりゃ」と口走ってしまう。間取り図を見てここまで笑えるという経験はまず無いだろう。この本には部屋の間取りが99件載っているが、どれもヘンなものばかり。
玄関から長ーい通路(廊下?)を行くと、何故かワンルームになっているとか、玄関からキッチンを抜け、廊下状のところを通って行くといつの間にかベランダ?とか、6帖の洋間と7帖のDKだというのに、バルコニーが100帖!!!!・・・などなど。
何といってもこれ、設計図でなくて実際の物件。その「100帖」も月々7.8万円だそうだ(お得・・なのか?)。この「存在感」で十分にインパクトがあるから、チョッとしか文章が無くても”買い”の本なのだ。おまけに図には一言が付けられているが、それがまたオカシイ!皆さん、「変態性が垣間見える間取り」って想像できるだろうか?
この本には更なる仕掛けがある。なんか折ってあるので、カバーを取って広げると、裏に全物件が載っている。その上、新書版なのにしおりが2本も付いているぞ!だいたい一番後ろのメモ欄は何を書くところだ?・・・存在するだけで笑える本だ。
さて、あなたはどの部屋に住みたい?
「間取りの手帖」 佐藤和歌子 著 潟潟gル・モア 刊
第三十七段 危ない会社って?
取引先が倒産しては自社も損害を被る。「行く末が危ない会社を見分けるポイントは?」ということでは、これまでにもハウツーものの本はあった。だから「社長が趣味人」とか「空き箱が急に増えた」とか「昼食がカップラーメンばっかり」などというポイントは、皆さん結構ご存知だと思う。また、見分け方といっても「社内恋愛が盛んだ」とか「ゴマすり幹部が幅を利かせている」なんてことは外からは判らない(まあ読んでて面白いが)。そこで今回の本なのだが、”イケナイ”傾向の社長はどんな人物かなどこれまでとダブる部分もあるものの、伸びる会社の要素も書かれている。著者が弁護士なので、弁護士の視点から見た存続、倒産の分かれ目になる法律知識の重要性や、頼んではいけない弁護士とはなど知っておきたいことが多い。特に「〜していたら、その会社は1年後に潰れた」という実話は解りやすい。さらには法曹界の問題点から見た、倒産しそうな”日本社会”への警鐘もあり、読み物としても面白いと思う。
「朝7時半開業の弁護士がズバリ教える−伸びる会社・倒産する会社」 諏訪裕滋 著 褐o済界 刊
第三十八段 危険がイッパイ
サバイバルの本をパラパラとめくって、「いやぁ、海外には行かないし、強盗は毎日来るでもない」などと、その本を置いて隣のコーナーを見ていたら、物凄くインパクトのある帯をつけた本が目に入った。海外でも日本の繁華街でもなく、『どこよりも「わが家」が危ない』?何事だと早速開いてみると、わが家での事故はこんなに多い!お風呂でおぼれる!ドアがぶつかる、噛みつく!と物騒な見だしが並んでいる。第1章の書き出しは『事故死者の五人に一人は「わが家」で死んでいる』!ついに講談社ブルーバックスも週刊誌路線かと思ったが、内容は至って科学的だった。家庭内での事故死者は確かに統計上大変多い様だ。そこでこの本では落ちる、転ぶといった事故の要素を図解や数字で解説し、どんな造りの家が危ないか教えてくれる。さらに第2章ではシックハウスについて解説し、第3章でチェックリストを設けて自己管理できるようにしてある。デザインに気を取られて危険を生み出すこともあるわけで、新築、リフォームに関わらず読んでおきたい本だと言える。
「寿命を縮める家ー安全で健康なわが家にする78の対策」 直井英雄 坊垣和明 著 講談社ブルーバックス
第三十九段 血圧上げないように
家族に高血圧症がいるので、読本はないかと探してみた。さすがに高血圧の人も多いらしく、書店では家庭医学書の中でもコーナーができている。小難しいのは避けるとして、特定の療法だけ書いてあっても本人に合わなければ駄目なので仕方が無い。良いものは無いかと見ていると、良さそうなのがあった。巻頭に緊急時の応急処置が載っているところが、まず実用的。続いてパート1では高血圧は何故起こるかなどの基礎知識から始まり、家庭用血圧計の色々から合併症まで解説。パート2では食品の塩分や良い成分の含有量と摂り方、運動の注意点他療法の解説を展開している。日頃の生活についても運転、酒、タバコはどこまで安全かまで述べ、更に正妻より愛人関係の方が危ないと表を使って説明している(詳細は読んでのお楽しみ)。食品の塩分解説もありがたいが、病院で貰う薬についての解説や漢方薬のあれこれ、血圧に良いツボまで紹介してある。これは良い、何冊も買うよりこれ1冊で済ませられる。何せあっちこっち読んでイライラしたら血圧が上がってしまう。
「よくわかる最新医学 高血圧」 新 啓一郎 著 主婦の友社
第四十段 熱く生きないと?
冷え性が増えているとかいうことは健康番組でも取り上げられているが、その冷えが様々な病気の元になっている様だ。ただ、逆に温めるとかなりの病気が治るという話はテレビでは出てこなかった様に思う。この本は体を温めて健康になろうという内容なのだが、温めることで治る病気の中に癌も含まれているのに驚く。また日頃ふつうにしているシャワー浴や当たり前に食べている何でもない食材が冷やす原因だという。紹介されている冷えの解消方法は食事の取り方や運動なので、どれも簡単で無理が無い。
どんな病気も「温めれば治る!」 石原結實 著 ワニ文庫